JSM-8 最期の蒸機急行「日南3号」の記録 壮絶なる青井岳への道


「海外SLライブラリー」「さらば日本の蒸気機関車」の収集が大詰めになり、他レーベルのLPも揃い始めた頃に出会った1枚です。

見慣れないジャケットとレーベル名だったので購入を躊躇ったのですが、他ではあまり見かけない路線を取り上げていたので買ってみました。レーベル名に個人の氏名があったのも気になりました。好事家の自主制作が大手では不可能な作り込みをされている事例は少なくなく、これもその類いではないかと思いました。

企画・制作となっているJS&Mという会社は、住所を検索してみましたが既に存在しないようです。ネットで見つかる範囲では他にLPを7作発売していて、これが8作目。

責任者として記名されている賤機喜美さんについては、「くろがねのみち」というサイトに写真提供をされていて、検索ですぐに見つかりました。しかし、レコードに関する記事は見つからなかったのでサイトの管理人様にメールでお聞きしたところ、レコードについては特に知っている事は無くご本人とも音信不通とのことでした。マスターテープが失われてしまった可能性は高く、歯痒いところです。

日豊本線を走るC57牽引の急行列車「日南3号」を中心に、同牽引の貨物列車や普通列車の音が収録されています。

A面では、C57牽引の貨物列車が駅に到着してから急行列車と行き違いをして発車するまでの長尺録音が収録されていて、鼻歌まじりに業務をこなす駅員の声や、待合室のおしゃべり、長閑な鳥の声など、郷愁を感じるとても良い録音です。

B面は、田野駅から青井岳駅までの普通列車添乗録音で、ドレンからの小気味の良い走行音とブラスト、汽笛と蒸気機関車サウンドの魅力満載という録音です。ノスタルジックな気分に浸れるBGMだと思います。

このレコードを聴いて長尺録音の魅力に気が付きました。情景への誘引力があり、心地よい汽車の旅を思い起こさせます。程よく人の声や汽笛の音が聞こえてきて、うたた寝にも最適です(笑)

自分好みのLPが見つかった気がしました。

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