O. Winston Link Railway Productions
某オークションのまとめ売りの中に見慣れないジャケットを発見したことが発端で出会ったレーベルです。
製造業の商品や記録写真を撮影する商業写真家であるOgle Winston Linkが立ち上げたレーベルで、ホームページによると1955年から1960年にかけて当時のノーフォーク・アンド・ウェスタン鉄道(N&W、現在のノーフォーク・サザン鉄道)の録音を行い、1957年から1977年にかけて「Sounds Of Steam Railroading」と題して全6作を発売したそうです。なぜか第5作のみEPです。
鉄道写真家としても有名で、N&Wが1955年に蒸気機関車からディーゼル機関車への転換を発表したことをきっかけに、1960年に渡って同社の蒸気機関車の写真を撮り続けました。この活動は社長や役員の奨励され、支援を受けていたようです。この撮影と並行して録音が行われたそうなので、撮影・録音共に良い環境で行われていたと思われます。
録音機材については「80ポンドのレコーダーと特性のポータブル電源を使用した」とホームページにあるのみで詳細は調査中です。レコードの製作は、現在でも回路基板の製造などを行っているComponents Corp.が請け負ったようですが、レコーディング部門の正式な設立が1959年のようなので、音源のマスタリングはリンクさん本人が行い金型の製造を発注したのではと推察しています。同社はリバーサイドレコードのクレジットに時折記載があるそうです。
彼の録音は2000年に設立されたNational Recording Registry(国立録音登録簿)に2003年に登録されました。キング牧師の「I have a dream」をはじめ、『文化的、歴史的、または美的に重要であり、または米国の生活を伝えたり反映したりする録音のリスト』が選定されていて、2024年時点で650の音源が登録されているそうです。現在のアメリカ東部をほぼ網羅する貨物鉄道網の歴史の一端として貴重な公式の音資料なのだと思います。
今回初めて出会ったことを思うと日本での流通量はさほど多くないと思われますが、ホームページにて6作すべてを納めたCD-BOXを購入でき、鉄道写真のプリントも販売されています。
Sounds Of Steam Railroading
No.1(CC1146) | Sounds Of Steam Railroading |
No.2 | The Fading Giant |
No.3 | Thunder On Blue Ridge |
No.4(CC1230) | 2nd Pigeon And The Mocking Bird |
No.5(CC1250) | Sounds Of The Steam Locomotive General |
No.6(PR65) | Mainline To Panther |
No.6
Mainline To Panther
2024.6.5
No.3
Thunder On Blue Ridge
2024.6.5
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